理念
医学・医学の発展には、人を対象とする研究の実施が必要です。しかし、その実施にあたっては、研究に参加してくださる方々の健康そして権利や尊厳が守られることが大前提です。このことは、当たり前のことでありながら、しばしば見落とされてきた歴史があります。医学研究に関する国際的な倫理規範である「ヘルシンキ宣言」はその反省から生まれたものです。
1990年代以降、わが国においても医学研究に関する倫理指針が厚生労働省や文部科学省を中心に策定されてきました。また、2018年には臨床研究法も制定され、ルールが整備されています。しかしながら、医学研究の複雑化に伴ってルールの内容も複雑化しており、研究にご参加いただく/いただいた方々、そして研究者がルールの内容を詳細に把握すること、また、具体的な研究の中でどのような対応をとればよいか判断することは難しい状況です。
そこで、東京大学医科学研究所では、2008年11月に研究倫理支援室を設置いたしました。医科学研究所の研究者が行う人を対象とする研究にご参加いただく/いただいた方々の健康そして権利や尊厳を守り、且つ、医科学研究所の研究者が倫理的に適切な研究をスムーズに実施していくことができるよう支援し、医学・医療の発展に繋げていきたいと考えています。
活動内容
研究倫理支援室では、人を対象とする研究(非介入研究)に関連する次の活動を行っています。
医科学研究所における-
- 研究にご参加いただく/いただいた方からの研究全般に係るお問合せ・苦情への対応
- 研究者等に対する各研究計画に関する倫理面での事前相談・助言・指導
- 研究者等に対する研究倫理研修の企画・実施・履修管理
- 倫理審査委員に対する倫理研修の企画・実施
- 倫理審査委員に対する助言・指導
- 倫理審査、及び、人を対象とする医学研究の適切な実施にかかる規程の策定・整備
- 人を対象とする医学研究の実施状況の管理
- 実地調査の企画・実施
- その他研究倫理に関する事項
メンバー
室長 | 武藤 香織 | 公共政策研究分野 教授 |
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副室長 | 井元 清哉 | 副所長、健康医療インテリジェンス分野 教授 |
室員 | 長村 文孝 | 先端医療開発推進分野/附属病院TR・治験センター 教授 |
石井 健 | ワクチン科学分野 教授 | |
李 怡然 | 公共政策研究分野 准教授 | |
遠矢 和希 | 生命倫理・医事法研究分野/研究倫理支援室 准教授 | |
研究支援課研究推進チーム担当者 | ||
事務担当 | 佐藤 美樹 | 研究倫理支援室 学術専門職員 |